田舎から東京に出てきたとき、一番驚いたのがホームレスの存在でした。
確か1994年ぐらいだったと思いますが、夜遅くホテルまでの帰り道に新宿駅から都庁方面に伸びている「動く歩道」に差し掛かった時、両脇に並べられている段ボールの中に人影を見て、とても驚いたのを覚えています。
また次の日の真昼間の新宿中央公園に、半裸で長い間お風呂に入っていないとみられる人が何人も公園内をうろついており、とてもショックを受けました。
私が高校卒業時まで住んでいた田舎には、ホームレスはいませんでした。
少なくとも、その地元では真夜中に道路に座り込んでいる人がいれば、目に留まるため、誰もが声をかけていたでしょう。
私の田舎では、当時ホームレスという言葉すら聞き覚えのない言葉でした。
似たような言葉に、「乞食」や「物乞い」や「ルンペン」や「ほいと」という言葉は一部「差別用語」として授業で教えてもらったことがありましたが、実際に目にすることはありませんでした。
それだけ、1990年代の当時の田舎ではホームレスという言葉が一般的ではなかったのです。
私がホームレスと呼ばれる人を見てショックを受けたのは、その身なりや存在に対してだけではありません。
気づいているはずなのに、誰も彼らホームレスを心配して話しかけてあげないことが一番ショックでした。
ちょうど真冬だったので、夜の気温は0度近くまで冷え込んでいたと思います。
下手すれば、凍死するレベルの極寒を段ボールだけでしのぐのです。
それも、一日だけでなく毎日この地獄が続くのです。
私はショックを受けましたが、あれから20年近くたった現在、その記憶が自分の中で薄れつつあることに悲しさを覚えています。
所詮、私も長く東京で暮らしているうちに慣れてしまい、他人事として考えてしまっているのでしょうか。
自問自答したこともありますが、本心では、住む家がないホームレスに何とか住まいが提供される日が来ないかを考えています。
まずは、「そういったことが可能性かどうか」ついて考えてみたいと思います。
タダでも買い手がいないと言われている田舎の土地を活用できないか?
日本は少子化の影響もあり、都会と田舎とで不動産事情が大きく異なるそうです。
過疎地と呼ばれるほど、人や交通量の少ないエリアでは、タダでも買い手がいないといわれるほど、土地の需要がないんだそうです。
なぜなら、一度土地を持ってしまうと、固定資産税がかかってしまい、税金を払わなければならないため、必要な人以外は、タダでも土地を購入しないというわけです。
つまり、狭い日本の中であっても、現状余っている土地は存在するということです。
こうした土地を国が買い上げ、本当に住み家に困っている人たちに貸し与えることはできないのでしょうか。
衣食住というのは人間の三大欲求といいます。
これが満たされないことには、他に興味が行くことはないといわれています。
一度住み家を手にした人は、着るもの、食べ物に対する欲求を満たすために、自発的に働くことを選択する人も多くいると思います。
ホームレスには、会社を倒産させてしまった元経営者などもいると聞きます。
少子高齢化で人口も減少するといわれている日本は、今まで以上に国民一人一人を大切にしていかなければならないと思います。
世の中を
- 取り合えず問題なく暮らしていけている人
- 職がなくて困っている人
- 無一文で住む家すらなくて困っている人
にわけるとすると、それぞれ全く別の対処が必要になってくると思います。
ちょっとしたきっかけを与えることで、絶望を感じていた人も生きる元気が出てくるものです。
誤解してほしくないのですが、私は安易に生活保護を与えることには絶対に反対です。
働いている人がバカを見るからです。
安い給料で朝から晩までこき使われて、月給10万円程度の人など何人もいます。
それなのに、働くことを拒絶している人がそれより多くの生活保護を受け取っていいわけがありません。
ただ、ホームレスの問題はそれとはまったく次元の違う話だと思うので、日本国憲法が保障する「人としての最低限の生活」を保障してあげる必要があると思います。
寒さを凌ぐために、暖かいエリアで暮らした方が良い
とはいっても、すぐに世の中は理想に近づくわけではありません。
取り急ぎ、自分の身を守るためには、冬の寒さに対処する必要があります。
東京の冬は極寒です。
そうした東日本にいるよりも、南国で冬に雪があまり降らないエリア、人口のそれほど多くないエリアで生活した方が、快適なのではないかと個人的には思います。
そうした場所に移ろうという気力ももはや失っているホームレスも多いと思うので、国はどこかの南国の無人島に、ホームレスの人たちがとりあえず凍死しないように、移住させる手助けをしてあげるというのは、どうでしょうか?
無人島であれば、先住民に迷惑をかけることもないため、個人的には寒さをしのぐうえでも良いのではないかと思っています。
なによりも、多くの人がホームレスの問題に関心を持ってくれることが大事なことだと思っています。