「住宅ローンが払えなくなったらどうなるのか」
というのが今回のテーマになります。
実は、私の高校時代からの友人に、住宅ローンの返済があと9年も残っているのに会社をクビになって職を失った人がいます。
今から数年前に話になりますが、その友達は「会社が倒産したことで、無職になってしまって、、、」と青ざめた顔で私に相談してきました。
彼曰く、住宅ローン自体はこれまで11年間、遅延することなく毎月払い続けてきて、残りの9年間頑張って返済を終えようと頑張っていた矢先の会社倒産ということでした。
「リストラされたなら別の会社に転職すればいいじゃん」
って声が聞こえてきそうですが、そんなに簡単な話ではないのです。
月々の住宅ローンの返済額14万が払えなくなった
彼のいた会社は大手の上場企業でした。
私も彼の会社の業績が近年芳しくないことはニュースなどを見て知っていたのですが、まさかあの規模の会社が倒産するなんて思ってもいませんでした。
それは、従業員である彼自身も同様だったようで、ある日突然、会社の倒産という事実とそれに伴う解雇について全社員に言い渡されたそうです。
問題なのは、会社が無くなったことで、住宅ローン残債の返済が絶望的になってしまったこと。
月々の返済額である14万円を、残り9年間(108ヶ月間)支払わなければならないため、総額1512万円の返済が残っているという計算になります。
住宅ローンなんて借りるべきでない最大の理由
彼のその当時の年齢は42歳。
会社が大手ということだけで、彼は技術職ではなかったので、年齢的にもすんなり別の会社に再就職というわけにはいきません。
サラリーマン時代の直近(会社倒産直前)の年収が約600万程度だったとのことでしたが、正社員転職にこだわるのであれば、年収が半分以下になるぐらいは覚悟しておいたほうが良いパターンです。
結果的に、彼はその後正社員採用されることはありませんでした。
会社倒産から半年後、前の会社の取引先企業から臨時職員ということでお情けで採用してもらい、年収も350万円(月収にして27万程度)まで大きく下げてしまいました。
無職期間が半年あり、その間、貯金を取り崩しながら月々の住宅ローンの返済や生活費をねん出していましたが、月収27万程度(手取りはもっと少ない状態)で住宅ローンを残り9年間払い続けることなんて無理です。
住宅ローンなんて借りるべきでない最大の理由は、「どんな大手企業に勤めていても、倒産やリストラのリスクは誰にでもあるし、一度クビになって収入が途絶えたり減少したりしたら、住宅ローン(家のために借りた借金)を払い続けることが出来なくなるから」です。
公務員など、よほどの事件(痴漢や障害事件など)を起こさない限りクビになるリスクがほとんどない、手堅い職業でない限り、住宅ローンを借りるのは得策ではないというのが、私の実感していることになります。
借金返済が無理だとわかれば早めに家を売らないと競売になって最悪の事態になる
彼は結果的に東京に購入したマンションを手放すことになりました。
幸い高い価格で売却に成功できたので、売却したお金をローンの残額の返済と、都心から少し離れた僻地の賃貸マンションの賃料に充てたそうです。
※参考記事:家を高く売る方法についてわかりやすく解説しています
家を売るにあたっての最大のポイントは、「裁判所に差し押さえられる前に売る」ということです。
裁判所に差し押さえられて強制的に売却されてしまうことを「競売」と言いますが、競売になってしまったら、相場からは考えられないほどの安値で買いたたかれてしまいます。
そうならないためにも、住宅ローンの返済が難しいと判断したら、すぐに家の売却に動き出すのが、何よりも大事になってきます。
現在は先の見えない世の中ですし、あの輝かしいバブル時代が日本に再来することはありません。
安易に住宅ローンを組んで家を買わないということを、本当に肝に銘じておいた方が良いです。