「結婚して子供が出来たら、庭付きの新築戸建てを手に入れたい。」
その気持ちはよくわかりますが、早まって住宅ローンを組む前に、一度冷静になる必要があります。
住宅ローンは低金利とは言え、利息付きの高額な借金を抱えることに違いありません。
元号が平成から令和に変わってしばらく経ちますが、「夢」や「理想」だけで新築物件を物色する時代はとっくに終わっています。
私は家をキャッシュで買う余裕がないのであれば、賃貸で十分だという話をしています。
が、それでもローンでマイホームを持ちたいのであれば、「悪いことは言わないから中古にしときなさい」と私は言いたいです。
購入した時点で新築住宅の価値は下落する
戸建てもマンションもそうですが、新築物件は、購入した時点で「中古物件」になります。
当然「中古」になった購入直後から家の価格は下がり続けることになります。
購入から15年間は下落率が非常に高く、築20年も建てば、一戸建ての建物価値は限りなくゼロになり、マンションは半分に減ると言われています。
例えば、築2~3年のマンションを見るとわかりますが、新築時から見た目の変化がほぼないのにもかかわらず、資産価値は大きく目減りするというわけです。
同じ物件なら、
- 新築で価格が3500万のマンション
- 築3年で価格が2800万のマンション
どちらを選んだ方が得ですか?
一軒家の場合も
- 価格が6000万の新築戸建て
- 価格が3800万の築5年の中古戸建て
どちらを選びますか?
キャッシュで1億以上持ってるなら新築を選んでもいいと思いますが、頭金500万以外ローンを組むのであれば、最低でも中古物件を買うメリットを知って検討ぐらいはすべきでしょう。
資産価値の下落は僻地ほど大きい
さらに注意が必要なのが、立地条件によって資産価値の下落幅に差があるという事実。
都心部や駅近の物件、いわゆるアクセスの便の良い物件は、そうではない物件と比べて、資産価値の値下がりが小さい。
なので、都心から離れており、かつ最寄駅からも遠い新築戸建てとか、とんでもなく値下がりすることは購入前に覚悟しておきたいところ。
かといって、値下がりを恐れ、都心部で駅近い新築物件を購入しようにも、そんな物件は販売価格が高すぎるため、借入するローン額も多くなり、返済できないリスクが高くなる。
これだけ書けば、新築物件を住宅ローンで購入することが、どれだけリスクが高いことだかわかってもらえると思う。
住宅ローンは終身雇用時代の産物
住宅ローンというのは、日本が右肩上がりの成長を遂げていた終身雇用時代の産物です。
60歳の定年を迎えるまで会社に雇ってもらえ、給与も年功序列で上がり続けることが前提だから、住宅ローンの返済シミュレーションがたったのです。
今やどんな大手企業でもリストラや倒産のリスクを少なからず抱えています。
「住宅ローンを払えなくなったら、どうするか」
何千万もローンでお金を借りるのですから、少なくとも、最悪のリスクを考えた上で行動すべきだと考えます。
ちなみに住宅ローンが払えなくなったら、競売にかけられる前に、早めに家を売るのが最善の方法です。
参考記事:家を高く売る方法について